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賃上げの平均

公開日: : サラリーマン

最近巷を賑わしているベースアップや昇給等の賃上げニュース。アベノミクスの施策の中でも消費拡大に向けた取り組みの一つなので、例年よりも注目されているのではないだろうか。

小銭

国内主要企業は12日、春闘で労働組合に回答。各社発表によると、ベア月額は日産自動車 で3500円、トヨタで2700円、ホンダ で2200円、富士重工業 、三菱自動車 、パナソニック や三菱電機 、日立製作所 で各2000円、新日鐵住金 の今後2年で2000円など。このうち、日産の満額回答を除き、労組要求額はトヨタで4000円、ホンダ、富士重、三菱自で各3500円など業界を代表する企業で要求額を大幅に下回る回答が続出した。

出典:Bloomberg.co.jp

国内の主要企業についてはすでに回答を出しているが、ベースアップで月額2,000円以上ばかり。この結果については色々な見方がされているようだが、意外と上がっているというのが個人的な印象だ。では実際昇給やベースアップって平均的にはどうなのだろうか。さっそく調べてみた。

賃上げの考慮要素-景気よりも重視するのは

まずは主に企業が賃上げの際に考慮する要素について直近の動向を整理した。
するとやはりというか、最も考慮されているのは企業の業績のようだ。以降は世間の相場、景気と無難な回答が続く。

賃上げ決定の考慮要素(単位:%)
賃上げ決定の考慮要素

出典:(社)日本経済団体連合会『昇給、ベースアップ実施状況調査結果(2003~2013)』より作成

あまり面白い結果ではないが、2011年度を基準として2013年度までの重視要素の変化を見てみると、最も重要性が高まっているのは「生産性の向上」のようだ。

賃上げ決定の考慮要素の変化(単位:%)
賃上げ決定の考慮要素の変化

出典:(社)日本経済団体連合会『昇給、ベースアップ実施状況調査結果(2003~2013)』より作成

「企業業績」に包含される要素のような気もするが、例えば、売上や利益にはその他の要因により現れなかったが、生産現場などの効率が実際には上がっている場合等が該当するのだろうか。なるほど近年はなかなか売上や利益が上がりにくい事業環境の企業が多いが、実際は地道なコスト削減などは確実に取り組まれているわけだから、それを考慮してもらうのは労働者側としては当たり前のことなのかもしれない。

平均的な賃上げ率-昔は今の約3倍!?

これまでの昇給率を調べてみたところ、日本経済団体連合会に調査資料があった。それによると2013年度は昇給率とベースアップ率を合わせた賃上げ率は1.90%だったようだ。2012年度以前はより詳細なデータがあり1991年からの実績は以下のようになっている。

賃上げ率の推移(単位:%)
賃上げ率の推移

出典:(社)日本経済団体連合会『昇給、ベースアップ実施状況調査結果(2003~2013)』より作成

賃上率は2000年大は2.0%前後で推移しているのに対して、1990年代、特に前は非常に高い。最も高いのは1991年の5.8%。今の3倍近い。しかも内3.6%がベースアップ分だというからすごい。組合活動の重要性が伝わってくる。

なお、上記の図では、2013年度の公表資料とそれ以前の数字に微妙な違いが出ているので、当サイトでは過去の資料に数字を合わせている。

賃上げ率の影響-たかが数%の差と思うなかれ

1990年入社と2000年入社の人の賃金上昇率-数十%の差!

では賃上げ率が大きく異なる1990年に入社した人と2000年に入社した人にこの賃上げ率の違いがどれくらい影響するのだろうか。

1990年入社の人、2000年入社の人が、それぞれ35年間働いた場合の賃金を、それぞれの入社時の賃金を1として試算してみる。その際、1991年から2013年までの賃上げ率は発表されている値を使い、2013年以降は2013年の値で固定して試算してみた。

賃金上昇率
賃金上昇率

出典:(社)日本経済団体連合会『昇給、ベースアップ実施状況調査結果(2003~2013)』より作成

すると、35年目の給与は1990年入社なら初年度賃金の約2.2倍まで上昇、2000年入社なら初年度賃金の約1.9倍まで上昇となり、その差は約30%となった。

1990年入社と2000年入社の合計賃金の差-X年分も違う!!

この約30%という差は小さく思えるかもしれないがあくまで単年の違いだ。35年間の総額で考えると1990年入社は35年後に入社初年度賃金の57年分、2000年入社は50年分となり、つまり7年分の賃金差がつくということがわかる。

賃金総額の違い

出典:(社)日本経済団体連合会『昇給、ベースアップ実施状況調査結果(2003~2013)』より作成

厳密には1990年と2000年では初任給にも差があるはずなのでこの通りではないかもしれないが、1990年入社の人と同じくらいの生涯賃金を2000年入社の人が稼ぐためには7年長く働かなくてはいけない。この差は大きい。さらに1990年入社のほうが初任給が高い可能性すらあるから、そういう場合は考えるのも恐ろしい。

元気な老人が増えたこと以外にも定年を伸ばす理由はこんなところにもあるのかもしれない。

まとめ-賃金を上げるには

賃上げ率の違いにより最終的には恐るべき差がつくことが分かってしまった。賃上げで考慮される要因としてここ3年だと「昨年の妥結額・率」の重要性も増しているようだし、組合運動はしっかり頑張ったほうが良いのかもしれないなー。

それにしても2000年と2013年の賃上げ率には大きな差はないから、もし2013年位の賃上げ水準が今後も続くとしたら2013年入社の人の賃金は35年働いても2倍もいかないということだ。以前調べたサラリーマンの給与平均が約400万円。初任給はもっと低いだろうから仮に300万円だとしたら35年後の給与は600万円前後が平均ということなのだろうか。なんか物足りないかもなー。

アベノミクスで景気がよくなれば給与が上がるわけではない。あくまで会社は業績で判断している。賃金を上げるためには政治家頼りじゃダメ。自ら会社の業績向上や生産性向上に励みましょう!

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